今回紹介するのは、動画編集や画像編集の効率を大幅に改善できるクリエイター向けツール「TourBox Elite」。
僕が愛用しているTourBox NEOの進化版で、Bluetoothによる無線接続により配線の煩わしさがなくなり、デスクをよりすっきりさせられるようになりました。
メモ
メーカーさんより商品提供頂きました。
この記事では、TourBox Eliteでできることや、旧製品のNEOとの違い、実際に使ってみた感想を紹介します。
TourBox NEOユーザだからわかる視点も含めて書いていくので、動画編集や画像編集の効率を上げたいYouTuberやクリエイターの皆さんは、ぜひ最後まで読んでみてください。
旧モデルはこちら
こちらもCHECK
-
-
TourBox NEOレビュー。動画編集の時短になる神ツール
続きを見る
TourBox Eliteでできること
クリエイターの作業効率を上げてくれると言われているTourBox Eliteですが、具体的には次のようなことができます。
- ダイヤルを含む14種類のボタンへのショートカットの割当
- 組み合わせによる50種以上のショートカットの割当
- アプリケーションごとのショートカット設定(プリセット)
- マクロによる操作の単純化
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
14種類のボタンへのショートカットの割当
TourBox Eliteに搭載されているボタンの種類
- トップ
- スクロール
- サイド
- ダイヤル
- ノブ
- 上下左右
- C1
- C2
- トール
- ショート
- Tour
TourBox Eliteには上記の14種類のボタンやダイヤルが搭載されていて、それぞれに任意のショートカットを割り当てることが可能。
例えば、Photoshopのツールの切り替えを十字キー。ブラシサイズや硬さの調整をダイヤルとノブに割り当てることで、キーボードに一切触れずにそれぞれの操作が一瞬でできるようになります。
スクロール、ノブ、ダイヤルは、パラメータの調整やPremiere Proの再生ヘッドの移動に適していますが、それぞれ押下もできるので、使い方は利用者次第。
ボタンの組み合わせにより、割り当てられるショートカットは50パターン以上
ダブルクリックや各々のボタンとの組み合わせにもショートカットの設定が可能で、組み合わせはなんと50種類以上。
上級者のクリエイターであれば、14種類のショートカットだけでは機能不足という人も中にはいるかも知れませんが、50種類のショートカットを割り当てられれば、使い慣れたショートカットをほとんど網羅できるでしょう。
パターンが多すぎてどのキーにどのショートカットを割り当てたかわからなくなってしまいそうですが、ガイド機能を利用すればショートカットの割当が一目瞭然で、ユーザが困らないような配慮がされています。
アプリーケーションごとにショートカットを設定できるプリセット
TourBox Eliteが優れているのは、プリセットによって使用するアプリケーションごとにショートカットを割り当てられること。
新機能のオーバーレイ型TourMenuと組み合わせれば、1つのプリセットに登録できるショートカットはなんと300個以上。
プリセットに「関連アプリケーション」を設定すれば、使用しているアプリ応じて自動的にプリセットを切り替えてくれるので、プリセットの数が増えても煩わしさは一切ありません。
PhotoshopやIllustrator、Premiere Proなどクリエイター向けのツールの機能はより簡単に設定できるようになっていますが、それ以外のツールでも自分でゼロから作ることも可能。
例えば、Google chrome用にブラウジングがしやすくなるプリセットを作ったり、Wordでよく使う機能を割る当てることもできます。
白紙の状態からプリセットを作るのは面倒。そもそもアプリケーションを熟知していないので、どんな機能があるのか把握できていないという人であれば、プリセットのインポートがおすすめ。
TourBoxの公式サイトにて、33種類のアプリケーション向けのプリセットが公開されていて、無料でダウンロードができます。
プリセットの構築を大幅に短縮できるので、初心者はこれらを使ってみるのがおすすめです♪
マクロによる複数操作の自動化
マクロ機能を使えば、頻繁に行う単純作業を自動化してワンクリックで実行できるようになります。
マクロに指定できるのは、2022年4月現在以下の5種類。
- キーボードショートカット
- 遅延(待ち時間)
- マウスポインタの制御
- テキストの入力
- ファイルやウェブサイトを開く
これら5つの項目を上手に利用すれば、選択したJPGファイルをワンクリックで他の形式のイメージファイルに変換したり、Premiere Proでワンクリックで頻繁に使うエフェクトを任意の設定でかけたりすることができます。
設定がやや複雑なので上級者向けの機能ではありますが、これを使いこなすと複雑な操作を単純化できるので、作業の時短に繋がります。
>具体的な例は、マクロの設定はこちら
TourBox Eliteのスペック
接続方法 | Bluetooth&有線(USB-C) |
---|---|
対応OS | 無線:Windows10以降, macOS 10.11以降 有線;Windows7以降、macOS 10.11以降 |
電源 | 無線:単三電池×2本 有線:USB-Cケーブル |
電池寿命 | 最長2ヶ月 |
サイズ | 116×101×44mm |
重量 | 376g |
カラーバリエーションは、クラシックブラック、アイボリーホワイト、モダンスモークブラックトランスルーセントの3種類。
今まではブラック一色だったので、カラーバリエーションが増えたのは嬉しいポイント。自分の好みやデスクの雰囲気に合わせて自由に選べます♪
今回提供いただいたのは、中身が透けて見える「モダンスモークブラックトランスルーセント」。
スケルトンの小型ゲーム機が流行った世代なので、これはめちゃくちゃテンションがあがります♪
拡大してみるとわかりますが、表面はサラッとしていて手触りがよく、ホコリが付いても拭き取りやすい仕様になっています。
旧製品のTourBox NEOはゴムっぽい仕様だったので、さわり心地はよかったものの、ホコリが付着しやすく汚れが目立ちやすい作りでした。
TourBox NEOの方はおそらくクラシックブラックにあたると思いますが、使っているうちに頻繁に触れる部分にテカリが…
側面には有線接続用のUSB-Cポートとサイドボタンがあるのみで、他にはありません。
背面には、無線接続時に使用する電池ボックスと電源スイッチ、Bluetoothペアリングボタンがあります。
電池内臓で充電式のほうが良いという意見もあるかもしれませんが、充電式だと経年劣化によって使える時間が年々短くなるので、その心配が不要な乾電池式のほうが僕の好み。
ただ、電源のON/OFFやペアリングの切替時に、毎回ひっくり返すのは面倒です。
デザインを損なわないための配慮なのかもしれませんが、側面のUSB-Cポートの隣にあったほうが使いやすいのでは?と感じました。
ちなみに有線接続の場合は、電池不要かつケーブルを接続時点で電源が入るので、背面にアクセスする必要はありません。
TourBox EliteとNEOの違い
TourBox Eliteは、NEOどこが進化したの?という疑問もあると思うので、TourBox EliteとNEOの違いを一覧表にしてみました。
製品名 | TourBox Elite | TourBox NEO | |
---|---|---|---|
ボタン数 | 14種類 | 14種類 | |
割当ショートカット | 50以上 | 50以上 | |
対応アプリ | ○ | ○ | |
無線接続 | ○ | × | |
カラー | 3種類 | 1種 | |
電子モーター制御 | ○ | × | |
TourMenu | ○ | ○ | |
マクロ機能 | ○ | ○ | |
対応OS | 無線 | Windows10以降, macOS 10.11以降 | - |
有線 | Windows7以降、macOS 10.11以降 | Windows7以降、macOS 10.10以降 | |
電源 | 無線 | 単三電池×2本 | - |
有線 | USB-Cケーブル | USB-Cケーブル | |
電池寿命 | 最長2ヶ月 | - | |
サイズ(mm) | 116×101×44 | 116×101×44 | |
重量 | 376g | 370g |
TourBox EliteとNEOの違いを簡単にまとめると、無線接続の有無、カラーバリエーション、電子モーター制御の有無です。
冒頭でも紹介しましたが、Bluetoothによるワイヤレス通信に対応したのが一番大きな進化で、ワイヤレスマウス&キーボードと組み合わせれば、配線のないスッキリしたデスク環境を構築できます。
ワイヤレス接続になったことで遅延による誤操作を懸念しましたが、心配とは裏腹に遅延は一切感じません。
見た目だけではEliteとNEOの違いはほぼわからない
搭載されているボタンの数やサイズ、重量もほとんど同じなので、EliteとNEOを並べても違いはほとんどわかりません。そのため、NEOユーザでも違和感なくEliteに移行できます。
ボタンの打鍵感もアップグレードされているようですが、良くも悪くも大きな違いはほとんどありません。
ただし、サイドボタンは明らかな違いがあります。
Eliteのサイドボタンはキーストロークが深く、より柔らかい打鍵感になりました。
スクロールホイールには電子制御のモーターが搭載され、スクロールしたときのカチカチ感の有無を設定できるようになりました。
ノブとダイヤルにもモーターが搭載されているので、回転させてパラメータを微調整する際にとても便利。
NEOのノブとダイヤルにはこれがないので、回転させても引っかかりのない作りになっています。
TourBox Eliteには無線接続用のスイッチと電池ボックスがあるので、両者の違いを判断できます。
コンソールのアップデートで設定できる機能はほとんど同じ
カスタマイズには、TourBoxコンソールという専用のアプリケーションを利用しますが、EliteとNEOどちらにも対応しているため、設定できる内容にほとんど違いはありません。
違いがあるとすれば、ノブやダイヤル、スクロールの電子モーター制御の機能くらいで、設定できるショートカットの数やマクロ機能、新機能のTourMenuも両者で同じように設定できます。
メモ
TourBoxコンソール4.Xは正式リリース前のため、リリースされたらNEOでもTourMenuが使えるようになります。
そのため、現在TourBox NEOを使っているユーザでワイヤレス接続が不要な場合は、わざわざ買い換える必要はないでしょう。
TourBox Eliteの同梱物
- TourBox Elite本体
- TourBox Elite用ポーチ
- USB-Cケーブル
- ケーブル用ポーチ
- 単3乾電池×2本
- ユーザーマニュアル
TourBox Eliteの同梱物はこんな感じ。
ユーザマニュアルは全文英語のため英語が苦手な人は困るかもしれませんが、設定方法や使い方は日本語のオンラインマニュアルが用意されています。
同梱のケーブルは、L字型のUSB-CtoCケーブルのため、USB-Cハブなどを介さなくても有線接続が可能。
NEOに同梱されていたのはUSB-AtoCケーブルだったので、この変更は地味にありがたいです。
TourBox Eliteを実際に使ってみた感想
ここからは、僕が実際にTourBox Eliteを使ってみた感想を、良い点と不満な点を含めて紹介します。
ワイヤレスのマルチデバイス対応で使いやすくなった
何度も言っていますが、やはり一番嬉しいのはBluetoothに対応してワイヤレス接続ができるようになったこと。
ケーブルが不要なので荷物も少なくなり、外出先でも使いやすくなった印象が強いです。
また、マルチデバイスへの接続が可能なので、WindowsのノートパソコンとMacbook Proを使い分けている人でも使いやすい仕様になっています。
ただし、ペアリングが2つのデバイス間で自動的に切り替わるわけではないので、今後のアップデートでその機能が実装されることを期待しています。
iPadに対応したらベスト
TourBox EliteはBluetooth接続に対応していますが、ペアリングにはTourBoxコンソールが必須のため、iPadのようなタブレットとは接続ができません。
動画編集やイラスト制作をiPad Proで完結させているユーザも増えているため、正直これは非常に残念。
iPadとApple Pencilの組み合わせは非常に便利なので、専用アプリがリリースされないかな…と密かに期待しています。
でも実はちょっとした裏技があって、MacbookとiPadをSidecarで接続すれば擬似的にiPadでTourBox Eliteが使用可能に!
SidecarはApple Pencilにも対応しているため、写真のレタッチやイラストを描くのにも適しています。
iPadと直接接続できるのがベストですが、どうしてもiPadで使ってみたい人はぜひ試してみてください♪
新機能のTopMenuが便利
TourBoxコンソール4.Xから、TourMenuという新機能が追加されました。
これにより、ショートカットをTourBox Eliteの物理ボタンに割り当てるだけじゃなく、リスト化できるようになり、視認性が良くなってアクセスがしやすくなりました。
頻繁に使う機能であれば、どのボタンにショートカットを設定したか覚えやすいですが、そうでない機能は覚えきれないし、毎回ガイドを見るのも大変なので、そういったショートカットはTourMenuに割り当てるのがおすすめです。
マクロが便利!でも、もう少し機能が欲しい
YouTube用の動画に効果音を入れる際に、-5dBに設定して音量を調整しているのですが、単純にまとめると次のようになります。
- 効果音のクリップを選択
- エッセンシャルサウンドを開く
- プリセットから-5dBを適応
効果音が多ければ多いほど面倒な作業なので、どうにか効率化できないかと思っていたら、マクロでこれがワンクリックで適応できることに気がつきました。
実際に設定しているマクロはこんな感じで、マウスポインタの位置を制御してクリックしているだけ。
設定するのは面倒ですが、一度正しく設定できるとかなりの時短になるので、何度も繰り返す作業はマクロ化するのがおすすめです♪
テキストの定型文入力もできるので便利ではありますが、ユーザーインプットやWindowの判断と制御などができないので、そういった機能が追加されたらより汎用性が増すなと感じました。
まとめ
- TourBox Eliteは14種類のボタンに50種以上のショートカットを割り当てられる時短ツール
- 旧型のNEOのレイアウトはそのままに、無線接続や電子制御などの機能が追加された
- 無線接続が不要であれば、NEOでもほぼ同等のことが可能
旧製品のTourBox NEOを愛用しているため、機能性が抜群なこと、作業の時短が可能なことは熟知しておりましたが、有線でしか接続できないことが不満でした。
TourBox EliteになってBluetoothに対応したため、唯一の欠点がなくなり、マルチデバイスにも対応しているので、複数のPCを使い分けている人でも使いやすいツールになりました。
ただし、TourBox NEOユーザであれば、無線が必須でなければ買い換える必要はないかもしれません。
作業を時短してくれるツールはほかにも販売されていますが、二万円台で買えるものはほとんどなく、機能性とコスパに優れた素晴らしい製品だと思います。
動画編集やイラスト制作の効率化を検討しているクリエイターの方は、ぜひ購入を検討してみてください。